新会長あいさつ
北海道ボート協会会長 東 乙比古
伝統と実績のある“ボート王国”を私のような者が代表となって良いのか、戸惑いと不安の中にいます。
不安の1つは、今総会で話合われました茨戸川漕艇研修センター(道ボ艇庫)の老朽化問題です。築30年となり、管理運営委員と札ボ有志の滅私のご努力でなんとか現状維持できてはいますが、建物の各所に深刻化しそうな傷が生じています。専門家による総合診断が必要な時期です。
持ち主である道体協にも視察してもらいましたが、公益財団法人道体協にとって唯一の所有施設であり頭痛の種でもあるようで、以前から自治体(石狩市、札幌市)か道ボに譲渡したい意向と聞いています。北海道ボートの拠点が万一にも無くなるというような事態を迎える前に、道ボとしてどのような維持策を取るべきか、どうしたいかを検討するチームを起ち上げます。
道ボの経済状況は年々の現状維持が精一杯という現実を直視し、近い将来の財政基盤整備を図るための検討チームもスタートします。札ボが今春の総会で決めた役員会費廃止という大改革に関連し、複数の協会・団体に所属する多くの活動者と選手たちの負担を調整しつつ財政基盤の強化も図るという、重い課題に取り組みます。この2つのチームによる検討結果を基に、道ボの将来を形作つていきたいので各水域、皆さんのご協力をよろしくお願いします。
昨年は函館水産高の木村晶選手が大活躍してくれ、東京オリンピックで道産子の勇姿を見たいものだと楽しい夢を膨らませています。
会長退任あいさつ
前北海道ボート協会会長 山口 理喜三
プロ野球、バドミントン選手の賭博、東京オリンピックの競技場設計やエンブレムをめぐる騒動、国際サッカー連盟幹部の汚職、ロシア陸上界のドーピング…スポーツの世界とは思われない数々の不祥事が世間の批判を浴びています。どれも金銭がらみ、巨額が動いている事例もあり、税金の使いみちに厳しい目が注がれるのも当然でしょう。
貧乏なボートは、選手も役員も自分でカネを出して動いているから清廉潔白と言えるけれど、額は小さくても強化費を頂き、道費で建てた艇庫を無償で使っている。体罰や各種ハラスメントとなると、どこで何が起きるかわかりません。
一番恐ろしいのは事故です。忘れもしない2001年9月21日の道高校新人戦、茨戸川で網走南ケ丘の女子選手、武田優さんが亡くなられました。私はこのとき審判長でした。はじめは突風による不可抗力的な事故と受け止めましたが、裁判が終わるまでの長い過程で、自然相手のスポーツでも万全の準備と細心の気配りで事故は防げるはずだ、という教訓を得ました。道ボ全員が一丸となって取り組み、その後15年間は死亡事故ゼロを維持していますが、事故の「芽」は時々顔を出します。後任会長はじめ新体制の皆さんには改めて安全総点検をお願いしたい。
道ボは安全意識の高い、チームワークも良い団体です。2期4年間、強力なスタッフに支えられて何とか次へバトンタッチできることに感謝します。ほんとうに、ありがとうございました。 (2016年4月9日)
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